心臓弁膜症とはどんな病気?

心臓弁膜症とは心臓を区切るトビラ(弁)が加齢などにより障害され、開かなくなったり(狭窄症)や、戸締まりが悪くなったり(閉鎖不全症)する病気です。
息切れ・動悸は心臓弁膜症のサインかもしれません。
心臓弁膜症は進行すると心不全に至ります。
心臓には4つの部屋(左右の心房・心室)があり、その出口に一方通行の弁が付いていて血液の逆流を防いでいます。しかし加齢その他の原因でこの弁が十分に開かなくなったり(狭くなる)、しっかり閉じなくなったり(血液が逆流する)ことで、血液の流れが悪くなり心臓に負担がかかる状態になります 。
心臓弁膜症は65歳以上の約10人に1人が罹る病気です

心臓弁膜症そのものは一般の方には聞き慣れない病名ですが、実は日本には推計300万人以上の患者さんがいるとも言われる身近な心臓病です 。代表的なものに大動脈弁狭窄症(大動脈弁が硬く狭くなる)や僧帽弁閉鎖不全症(僧帽弁がうまく閉じず血液が逆流する)などがあります。
原因
かつてはリウマチ熱の後遺症が主要な原因でしたが、現在では加齢に伴う弁の変性(石灰化や硬化)が最も多くなっています 。そのほか、心筋梗塞によって弁の支持組織が損傷されて起こるものや、先天的に弁の形が異常な場合、細菌感染による心内膜炎で弁が破壊される場合などがあります。高齢化に伴い、年齢による弁の劣化で起こる弁膜症が増えているのが現状です。
症状
弁膜症はゆっくり進行するため、初期には無症状で経過することも少なくありません 。しかし悪化して心臓の負担が大きくなると、心不全と同様の症状(例:息切れ、むくみ、疲れやすさ)が現れるほか、動悸(不整脈の合併)や胸の痛み・めまいなどを感じることもあります 。自分では気づきにくいため、健康診断等で「心雑音」を指摘されたら放置せず受診しましょう。
検査
確定診断や重症度には、心エコー図検査(超音波検査)が重要です
診察ではまず聴診で心臓の音を聞き、異常な雑音がないか確認します 。
確定診断には心エコー検査(超音波検査)が不可欠で、悪くなっている弁と狭さや逆流の量、心臓の大きさやポンプ機能を評価します 。
心エコー検査は痛みもなく15-20分ほどで終わり、放射線を使わない安全な検査です 。
必要に応じて胸部X線や心電図で心臓の肥大や不整脈の有無を調べ、血液検査で心不全の指標を確認することもあります。
こうした検査結果から弁膜症の重症度を総合判断し、治療方針を決定します。
治療
当院では超音波専門医である副院長(嘉人)が責任をもってすべて診断します
軽症から中等症のうちは、薬物療法(心不全症状を和らげる利尿薬や血管拡張薬等)で経過を観察し、定期的に心エコー検査で進行具合をフォローします。
一方、重症の弁膜症では、心臓外科での手術治療(傷んだ弁を修復する「弁形成術」や人工弁に取り替える「弁置換術」)が必要になる場合があります。
大動脈弁狭窄症の治療計画

※2 surgical aortic valve replacement; SAVRの略称。「サバ 」と読む
近年では高齢で開胸手術の負担が大きい方のために、カテーテル(経皮)による新しい治療も登場しています。
例えば、大動脈弁狭窄症に対するTAVI(経カテーテル的大動脈弁置換術)や、僧帽弁閉鎖不全症に対するM-TEER(経皮的僧帽弁接合不全修復術)です。
これらの先進的治療により、従来は手術困難だったご高齢の方や合併症のある方にも治療の選択肢が広がっています
。

僧帽弁閉鎖不全症の治療計画


当院の循環器担当医師(副院長)は、これら最新のカテーテル治療を現役で行っている専門医です。
必要に応じて適切なタイミングで連携病院をご紹介し、患者様に最適な治療を受けられるようサポートいたしますのでご安心ください。
副院長の治療を希望される場合は大垣市民病院に紹介することも可能です。