「三尖弁閉鎖不全症」に対するカテーテル手術 荒尾嘉人/副院長が中日新聞・岐阜新聞に掲載
【新聞掲載のご報告】胸を切らない「三尖弁閉鎖不全症」の最新カテーテル治療(T-TEER)について
皆様、こんにちは。荒尾内科耳鼻咽喉科です。
このたび、当院の荒尾嘉人医師が診療に携わる大垣市民病院 循環器内科にて、岐阜県初(東海地区で2施設目)となる三尖弁閉鎖不全症に対する最新のカテーテル治療「経皮的三尖弁接合不全修復術(T-TEER)」**が実施され、その取り組みが新聞およびメディアにて報道・掲載(2026/9/12岐阜新聞、2026/9/15中日新聞)されました。
今回は、新聞でも注目されたこの「三尖弁閉鎖不全症」という病気と、画期的な最新治療について分かりやすくご紹介いたします。
1. 心不全と「三尖弁閉鎖不全症」とは?
現在、高齢化に伴い「心不全」の患者様が増加しています。心不全とは、心臓のポンプ機能が低下し、「足のむくみ」や「動いたときの息切れ」などの症状があらわれ、徐々に進行していく病気です。
この心不全の大きな原因や悪化因子の一つとなっているのが、「三尖弁閉鎖不全症(さんせんべんへいさふぜんしょう)」**です。
- 三尖弁(さんせんべん)とは?
心臓の右側にある「血液の逆流を防ぐための扉(弁)」です。 - 閉鎖不全が起きると…
弁がしっかり閉まらなくなったり、心臓が広がって隙間ができたりすることで、血液が本来進むべき方向とは逆(全身側)に漏れ戻ってしまいます。
近年の研究では、この弁の逆流(中等度以上)を放置した心不全患者様は、そうでない方に比べて死亡リスクが約1.34倍、心不全による再入院リスクが約1.30倍に高まることが分かっています。
2. これまでの治療と、新しいカテーテル治療(T-TEER)の違い
これまで三尖弁閉鎖不全症の治療には大きな課題がありました。
| 従来の治療(手術・薬) | 最新の治療「T-TEER」(カテーテル) |
|---|---|
| 胸を開く大手術が必要で、高齢の方や心不全が進んだ方には身体への負担(リスク)が非常に高かった。 そのため、利尿剤(おしっこを出す薬)などで症状を抑える治療を選択するほかなく、薬だけでは限界となるケースが多くありました。 | 太ももの付け根の血管から細いカテーテルを入れ、開いたままになっている弁の隙間を小さなクリップで留める治療法です。 胸を切らないため身体への負担が非常に少なく、高齢の方でも安心して受けることができます。 |
実際に行われた70代女性の患者様のケースでは、手術翌日から歩行を開始され、わずか5泊6日で歩いて退院されるなど、非常に負担の少ないスムーズな回復が得られています。
3. かかりつけ医として地域の皆様へ
このカテーテル治療は、専門の医療チーム(ハートチーム)が揃った限られた先進施設でのみ受けることができる特別な治療です。
「最近、足のむくみが気になる」
「少し動くだけで息切れがする」
「心不全と言われたことがあるけれど、症状がすっきりしない」
このようなお悩みをお持ちの方は、単なる加齢のせいと諦めず、ぜひお気軽に当院(荒尾内科耳鼻咽喉科)へご相談ください。地域の「かかりつけ医」として、必要に応じて基幹病院や専門医療機関としっかり連携し、適切な診断と最適な治療計画をご提案いたします。
皆様が毎日を元気に、安心して過ごせるようサポートしてまいります。